本記事では、AI が貢献できるプロジェクトやタスク管理領域の具体例を整理するとともに、組織で実践する際のポイントや導入のヒントを紹介します。
近年、プロジェクト管理のあり方を大きく変えつつあるトレンドとして、人工知能 (AI) が注目されています。 AI は、複雑になりがちな B2B プロジェクトにおけるリスクを抑え、チームがより確実に成果を出すための「心強いパートナー」として活用され始めています。
本記事では、プロジェクト管理に AI を導入することで B2B の現場にもたらされる変化や具体的なメリットに加え、組織の競争力を高めるための実践的な導入ステップを紹介します。プロジェクトマネージャーが日々の業務で活用できる AI の使い方についても、順を追って解説していきます。
近年の B2B プロジェクトは、2030年問題や 2050年問題のような社会構造の変化により、さらなる人材不足が予測されています。
業務効率化と生産性向上が課題となるなか、2022年以降、生成 AI が一般的に普及し、より多くの企業が解決に取り組めるようになりました。
AI を活用することで、たとえば、次のようなプロジェクト管理タスクを AI に任せることができます。
過去のプロジェクトデータと現在のデータの状況を比較し、市場トレンドを予測する
膨大な情報からタスクの優先順位を明確にする
メンバーごとの進捗状況や期限を自動的に確認し、フォローアップを行う
実際に、富士通では Asana を導入したことで、「仕事のための仕事の時間」が約 30% 削減されるという結果を得ており、各企業でも生成 AI を用いて DX を行う動きが加速しています。
AI を取り入れることで、これまで手作業にかかっていた業務を効率化でき、プロジェクトチームはより価値の高い業務に時間を割けるようになります。具体的なメリットは次の 4 点です。
※利用する AI プロジェクト管理ツールによって対応できる機能は異なります。実際の運用にあたっては、各ツールの仕様をご確認ください。
AI は、各チームメンバーのスキルセット、稼働状況、タスクの難易度を分析し、最適なタスクの割り当を自動で提案できます。また各メンバーが将来的にどの程度の作業量を担えるか、のようなキャパシティ予測も可能です。
AI が担う役割は次のとおりです。
チームメンバーごとの負荷をリアルタイムで可視化
負荷が高いメンバーのタスクを、他のメンバーに自動で再割り当て
再割り当ての際には、優先度の低いタスクから提案
上記のような仕組みは、プロジェクトマネージャーにとって次のようなメリットをもたらします。
リソースの偏りを防げる
プロジェクトコストの超過を軽減できる
メンバーの燃え尽きを予防
組織全体の生産性を最大化できる
AI は、人が見落としがちな細かな兆候を分析し、今後発生し得るリスクを早い段階で察知できます。これにより、潜在的なリスク管理の要素を事前に洗い出し、トラブルを未然に防ぐための対策を講じやすいです。
タスクの抜け漏れを確認
重複しているタスクを特定
未アサインのタスクを共有
発生し得るリスクと、その解決策を先に提示
こうした機能は、プロジェクトマネージャーに次のようなメリットをもたらします。
メンバーとのコミュニケーションがスムーズになる
クライアントとの信頼関係をより強固にできる
タスク管理における繰り返しの定型業務を、AI が得意とする領域です。AI がこれらのタスクを行うことで、プロジェクトマネージャーはより創造的かつ戦略的な業務に専念できます。
AI が自動化できる主な業務例は次の通りです。
会議議事録の要約や進捗報告資料などの文書作成
プロジェクト計画のテンプレート化
データ入力の短縮化
スプレッドシートでの自動管理
AI による自動化は、プロジェクトマネージャーに次のようなメリットをもたらします。
全体的な業務効率化が向上
人間だからできるタスクに時間を使用
クライアントとの良好な関係を構築
AI は、タイムラインの最適化もできます。ガントチャートやタイムラインに沿ったプロジェクトの概要を分析し、ボトルネックになっているタスクや遅延が発生しそうなポイントを自動で特定します。
従来のプロジェクト管理ツールでは難しかった、プロジェクト全体の進捗に対する影響度を、瞬時に可視化することが可能です。
これにより、プロジェクトマネージャーは、次のようなメリットを得られます。
不具合や問題を早期に特定し、再発を防止できる
ステークホルダーへ確実に成果を提供できる
プロジェクト全体の進捗を、より高い精度でコントロールできる
「生成成 AI とは?全貌と企業でうまく活用する方法を分かりやすく解説」全体的なリスクについて説明していますが、プロジェクトマネジメントで利用するときのリスクは 3 点あります。
AI は便利ですが、すべて判断を任せることはできません。
たとえば、AI は提出期限が長いタスク A を「優先度が低い」と判断するかもしれません。しかし、AI は職場環境が見えていないため、メンバーの持つ事情やインプットしていない作業、責任を察知することが難しいでしょう。
AI の判断はあくまで目安とし、最終的な意思決定は、チームの知識や経験に基づいて行う体制が必要です。
新しいプロジェクト管理ツールに、戸惑いを感じるメンバーもいるかもしれません。継続的に利用されず、全体の数値を正確に把握できず、精度が落ちる可能性があります。
「ワークイノベーションサミット東京 2025」に登壇いただいた KM バイオロジクス社の原田 拓実 氏は、実際にメンバーに使ってもらい、効果を体感してもらう行動が効果的だったと語っています。
「ワークイノベーションサミット東京 2025」のオンデマンドは以下からアクセスできます。
AI が当たり前になった未来に、どう備えるか? AI 活用が変える仕事のあり方や最新トレンドを、ワークイノベーションサミット東京のセッションから学べます。
プロジェクト管理ツールを通じてタスクを割り当てても、各タスクに対する背景や目的が記載されていないと、なぜこの優先順位なのか、なぜ自分に再割り当てされたのか、などが分からず、不信感につながる場合があります。
プロジェクト管理ツール内で説明や背景はすべて明記し、いつでも話せるようなか環境を作ることが不可欠です。
AI ツールの導入には時間が必要ですが、プロジェクトマネージャーは、手軽に使える生成 AI を活用することで、今日のタスク管理とワークフローを効率化できます。
おすすめは、ChatGPT のような大規模言語モデルと Asana のようなプロジェクト管理を目的としたツールの両方を併用することです。
ChatGPT や Gemini、Claude などの大規模言語モデルは、幅広い業務をこなせるため、AI 活用の第一歩として最適です。
課題 | AI の活用方法 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
プロジェクト計画の洗い出し | 過去のプロジェクト情報や要件定義書を入力し、「このプロジェクトのリスクを洗い出してください」などとプロンプトで指示する | リスク管理やタスクの依存関係の抜け漏れ防止 |
アイデア出し | 「この課題に対する解決策を 3 つ、メリットとデメリットを添えて提案してください」と指示 | 初期段階での検討事項の幅出し、意思決定の材料収集 |
要約 | ファイルや記事などを入力し「内容を要約してください」と指示 | 時間の短縮、要点の理解 |
リサーチ | 「この問題に対する事例を 10 個教えてください」と指示 | 課題があったときに早急に対応、データを元にした信頼できるデータの共有 |
多くのプロジェクト管理ツール (例: Asana など) やコミュニケーションツール (例: Slack、Google Workspace) には、AI 機能が組み込まれています。
進捗管理の自動作成 : Slack などのチャットデータやメールから、プロジェクトの進捗を抽出し、ダッシュボードを自動更新
コミュニケーション支援 : チャットボットが、チーム内の会話から質問を検知し、関連するドキュメントや専門家を推薦し、情報共有を促す
プロジェクトを可視化 : 異なる部署やチームなど、会社全体の進捗を横断的に把握可能
AI でできることは無限にあります。以下の 4 ステップは簡単に日常に取り入れられる方法です。
AI をチームに導入するときのステップについては、以下記事の「生成 AI 導入に向けたステップと成功のポイントで解説しているので参考にしてください。
注目されている理由や具体的な活用方法、企業の活用例などを紹介します。
プロンプトの質は AI の出力を大きく左右します。プロンプトの指示が細かく、一定しているほど、出力も丁寧になります。時間短縮と品質担保のためにテンプレートを用意して置くと、出力がスムーズです。
プロンプト例は以下の通りです。
「今から送る情報を、以下のフォーマットに当てはめてください。
課題 :
ゴール :
完了条件 :
想定工数 :
依存関係 :」
毎朝、プロジェクト管理ツールに今日のタスクの優先順位や遅延リスク、ボトルネックになりうるタスクなどを確認してみましょう。チームとの朝会やミーティングにて、メンバーで注目すべき点を明確にしやすくなります。
毎週のレポート作成を、AI に任せることでレポート作成時間を削減できます。もしくはツール内で AI を用いた概要がないかをチェックしてみてください。
ChatGPT のような AI ツールを使用する場合は、以下のように聞くと丁寧な答えが返ってきます。また先週や先月との比較を同時に頼むことで、より細かな分析を同時にできます。
プロンプト例は以下の通りです。
「毎週提出しているステータスレポートの作成をお願いします。 (今週気になった部分) を特に取り上げてほしいです。以下は入力してほしい情報です。
プロジェクトの現状 :
進捗 :
課題 :
今後の見通し :
また、先週と今週のステータスレポートを比べて、気になった点があれば指摘してください。」
書いた文章やタスクなどを AI に通す癖をつけることで、抜け漏れや粒度の不一致を防げます。
プロンプト例は以下の通りです。
「このタスクの粒度を適切なレベルに書き直して」
「この仕様書の抜け漏れをすべて指摘して」
幅広い種類があるプロジェクト管理ツールの中でも、 Asana はプロジェクト全体を見渡すのに適している B2B ツールです。
以下は、Asana の特徴です。
直感的に操作できる - 誰でも感覚的にタスクの作成、割り当て、進捗確認ができるデザインです。非技術系の部署でも直感的に使えるため、会社全体や部署をまたぐプロジェクトに向いています。
目標とタスクの紐付け - 組織の OKR (目標と主要な結果) や戦略目標をトラック (追跡) できます。個々の作業がプロジェクトの成功にどう貢献しているかを確認できるため、成果に合わせてリソースを柔軟に変更することが可能です。
他ツールとの連携機能 - Asana は Slack や Google Workspace、Microsoft Teams などと連携しています。異なるツールをいくつか使用している場合に、情報共有を一元化しやすくなります。
デモの共有も行っていますので、興味があればぜひご覧ください。
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AI は、プロジェクトマネージャーの仕事を奪うのではなく、管理業務を減らし、より戦略的な意思決定に集中できる環境を作ってくれます。
AI がデータ分析と定型業務を担うことで、プロジェクトマネージャーは複雑なステークホルダー間の調整やチームメンバーのモチベーション管理、クライアントの潜在ニーズの把握など、人間特有の創造性と共感を必要とする領域に時間を割くことができます。
AI は、B2B プロジェクトのプロジェクト成功率と収益性を高める、これからの企業に欠かせない戦略的パートナーです。今こそ、この変革をチャンスにかえ、組織の競争力を高めていきましょう。
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